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ドゥキエルは残る片足と片腕を握ると簡単に骨をへし折ってしまった
両手足を失った人間が、再生能力を持つ魔族に勝つなど万に一つの可能性もない。ましてやレグザは武術の達人であり、魔法の達人ではない。呪文を言えれば魔法を唱えることも可能だが、レグザ程度の魔法ではドゥキエルに傷をつけることはできないだろう
「終わりだな。人間。お前は。いい能力を。持っている。魔王殿への。土産だ。」
ドゥキエルの大きな拳が、レグザの整った顔面を捉えるとまるで、果汁で潤った果実が潰れたかのように赤い血が飛び散った
「レオニール。ブラックヘルムに。敵の死体とレパード。スザクマルを。回収させろ。一回撤退して。体勢を立て直すぞ。」
「あららら…レパードちゃんにスザクマルちゃん…こんなになるまで…私の事を思って戦ってくれたのね…」
レオニールはチャンスと言わんばかりに、レパードを抱き上げると顔を近づかせる
「やめるのだよ。気持ち悪いのだよ…」
気を失っていたレパードが目を覚ますほどである
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