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「お前はどうやってこちらの世界に呼び出されたのか分かるか?」
「…皇帝様のお力で世界の危機に呼び出されたんじゃ…」
「お前は皇帝に洗脳されたある意味では可愛そう奴なのかもな」
皇帝を馬鹿にしたような態度を取ると案の定、マサヨシの表情が強張る。生まれて初めて見た者を親と認識する動物のように、異世界人であるマサヨシもこの世界で初めて出会い、知識をくれた皇帝を信じざるを得ないのだろうな
「お前を呼び出す為に使用されたのは、この地だ!!このシケット王国だ!!」
「何を言っているんです?ここはだいぶ前の戦争で滅んだのでは…」
「…馬鹿を言うな。お前がそれほどまでの力を有している理由は、生贄の多さに起因している。このシケット王国の潤っていた環境…住んでいた人間数万人…その魔力と魂を使用して生まれたのがお前だ」
「そんなはずは…」
強く否定しようとしたマサヨシの言葉が急に止まる。それは泣き叫ぶようにして必死に言葉を発しているカイザーが嘘を言っているとは思えなかったからだ
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