第22章-真実と別れ-

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「お前はこの世界において、異世界から来た皇帝の新たなペットでしかない…お前は皇帝に言いくるめられているのだから知らないだろうが、皇帝は世界を制圧し、我が手中に収めようとしているのだぞ…そのためには一切の慈悲は無い。逆らう者は排除される」 「そんな…私はただ、呼ばれたからには世界を救おうと…」 「救えん…お前は壊す側にいるのだからな…」 本当に何も知らずに、力だけを付けさせられたのだろう…哀れな勇者だ 「利用されるだけされて、捨てられる…」 カイザーの言葉を聞いたマサヨシは頭を抱えてうずくまってしまった。息は荒くなり、動悸が激しくなる、汗の量も尋常ではない 「なんで…なんで…私はただ助けたかっただけなのに…あの時だってそうだ…いじめられてたユウキを助けたのに…最後はお前のせいだと…偽善者と…罵られてユウキは自殺した…」 何を思い出しているのか分からないが、激しく動揺していることは確かだろう。汗と共に涙がこぼれて地面を濡らす。子供のように泣きじゃくる姿は最早勇者ではない
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