第22章-真実と別れ-

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「うが、ごふっ!?」 ポーレライの口から大量の血が一気に吐き出されて宙を舞う。コップから水をこぼしたように溢れ出た血は、ドゥキエル、ポーレライと共に地面へと落下した 「ぐううっあああがが…はあ、はあ、まさか鎧通しが使えるとはね…筋肉馬鹿だと思っていたよ…うぐっ」 片膝を付くポーレライは、苦しそうな表情を浮かべて流れる血を必死に抑えている。対するドゥキエルは腹部に刺さった槍を引き抜くと山へと投げ捨てる。刺さっていた部分は黒くなり、焦げたのとは違い、腐敗したように崩れている (マズイな。この闇の炎は。再生能力を。妨げる。) ドゥキエルは激痛の腹部を我慢してポーレライへとトドメをさすために歩み寄る。ポーレライは、身体の中の臓器をめちゃくちゃに潰されたというのに呼吸を整え始めている。普通の人間ならば死んでいるような攻撃だが、さすがは強者といったところだろう しかし、しつこいようだが、この世に回復魔法は存在しない いかに強者であるポーレライと言えど、都合よく臓器を復活させることなどできないのだ 「クソ…どうやら逃げる体力すら残ってねえ…俺っちの完敗だ」
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