第22章-真実と別れ-

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穴に流れる液体は、まだ熱を持っているのか煙が絶えず出ており、異臭も途絶える様子はない。証拠となる物などなく、王国は失ったモノの大きさを痛感せざるを得ない 「とにかく、山の中の調査をしましょう。アーガス・レグザ様とポーレライ様には申し訳ないですが、調査終了まではこのことは口外せずに今ここにいる者のみの情報とした方がいいでしょう」 スカイと共に会話をしていたアーサー王が、世界七大貴族二人の元へと歩いてくる 「ふむ、そうじゃな。王国内の混乱もありえるし、何より他国へ戦力低下を知られることは避けておきたいしのう」 穴の傍にしゃがみ込み、じっと穴の中を睨むアーサー王の眼は怒り、悲しみを含んでいる 「許せない…。こんな事をするなんて…平和を護るのが私の使命だ」 小さい声だが、怒気の籠った声はシグマにもユトゥにも聞こえた。まだ10代ではあるが、平和を愛し、民を愛し、それを護るのは自分だと疑わない。潜在能力は計り知れず、世界でただ一人だけ黄金の魔力を身に纏っている だが、まだ幼い…浅はかな正義感は自分の首を絞めているということを知らないのだから
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