33980人が本棚に入れています
本棚に追加
もう何度見ただろうか…
愛する者が目の前で死ぬということは、どれだけ胸が苦しいかなど、誰も知らないだろう
何度死のうと思ったことか…
でも、その度に夢に出てきては私を止める…
「カイザー…」
キラキラと輝くドレスに、宝石の散りばめられた冠、美しい化粧を纏った整った顔…皇帝の妃であるエレナは、いつものように与えられた部屋の中で座っていた
「何故止めるのですか、カイザー…私はあなたと同じ場所に行きたいというのに…」
彼はとても優しい青年であった。民の為に考え、民の為に動き、民の為に命を張っていた。立派な王とは彼のような人間のことをいうのだろうとエレナは信じていたし、疑わなかった
最初のコメントを投稿しよう!