第23章-正義とマサヨシ-

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「死んで尚、私のお傍にいてくれるのですね…」 エレナはカイザーの処刑以来泣かない日は無い。幼い頃から時間を共有し、許嫁という形でこそあったがお互いが、お互いを好いていたのは間違いではない 帝国全土ではカイザーは、皇帝の妃に手を掛けたということになっているが、そんなことなど一つもない。それを訴えたくて、愛する者の無罪を知らせたくて、帝国内の小国に皇帝に連れて行かれた際に説明しようとしたが、誰も信じてはくれなかった。洗脳された後遺症が残っていると皇帝は説明していた 皇帝が憎い 今、自分の身体が皇帝のモノだと認識すると死にたくなる。早くしねばいいのに死ねない自分が嫌になる 「私のことを理解してくれる方なんていないわ…」 窓際で外を眺めると緑豊かな庭が見える。帝国の城の中で一番良い景色の見える部屋らしいのだが、別に嬉しくもない 「一緒に見たシケットの夕日の方が綺麗…」
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