第23章-正義とマサヨシ-

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乾いた風の吹く渓谷… この渓谷のこちら側は帝国領土であり、向こう側は教国の領土となっている 国境沿いには、幾つかの関所が設けられており、その関所を通ることで帝国と教国の領土を行き来することが出来るが、基本的に五大王国間の移動は簡単ではない。一度不可侵領土を経由して、別の五大王国へと移動する方が安全かつ楽である 何故なら、どの国との国境付近でも常に臨戦態勢であり、特に帝国との国境線を持つ共和国、教国は警戒体勢を敷いているからである 「皇帝様がいなくて良かった…まずは旅をして世界の様子を見よう」 マサヨシは、皇帝に許可をされていない他国への移動は関所を通ることが出来ないので、比較的警戒の薄いこの渓谷を選択した この渓谷の警戒が薄いのには理由がある… それは、渓谷によって帝国と教国の間には亀裂のような溝が出来ているからである。普通の人間ならば飛び越えることなど不可能、魔法を扱える者でも実力者しか飛び越えられない距離だ そして、もう一つはこの渓谷の特徴にある。世界で指定されている危険区域の中でも最上級の危険度を持つ【危険レベルXランク】なのである この渓谷には魔力溜まりが多く存在しており、強力な魔物も多数発見されている
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