第23章-正義とマサヨシ-

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咄嗟に腕を上げて阿修羅の拳をガードするが、阿修羅の腕は人間のそれのように二本ではない。六本ある腕の内、二本をガードしたからといって攻撃は止まらないのだ 残りの拳がマサヨシの腹へと喰いこんで、マサヨシを渓谷の壁へと叩き付けた 「あ、があ…うぐ…」 地面に落ちて悶えるマサヨシの顔から、その威力を伺うことが出来るだろう。かろうじて【ホーリーアーマー】と普段から装備している鎧のおかげでダメージの軽減はできている しかし、マサヨシは完全に遅れを取ってしまっている。阿修羅からの攻撃を幾つか予想していたが、完全に不意を突かれてしまってそれどことではない 「【天神生剣】…力を貸しておくれ…」 マサヨシは背中に背負っている【神器・天神生剣】に語りかける。天神生剣は優しい光を放つと、魔力とその光でマサヨシの身体を包み込む。マサヨシの顔色は瞬く間に良くなり、身体の傷が癒えていく 「ふう、ありがとう…さて、【烈火粉塵斬鉄剣】あいつを倒す手立てを考えなきゃね」 剣に語りかけるという奇妙な姿だが、マサヨシには神器の言葉が分かるのだろう。職人の打った剣には魂が宿ると言うが、神の力を宿した神器には、神の意思でも宿っているのだろう
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