第24章-心の火-

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魔物が死んだ時とは違う 魔族の死は重い かつてシケットの王であった時のカイザーは、争いで兵士を失うごとにひどく悲しんでいた。それを他国の王や皇帝は異常だと言っていたが、人間ならば誰かの死に直面すれば悲しくもなる。それが近しい人ならば尚更だろう 雨の降りしきる帝国内領土【バジェット王国】に魔王カイザーはいた バジェット王国は帝国でも屈指の実力を持った戦闘国家である。シュナイデルの皇帝の座を奪おうと戦力を蓄え、屈強な戦士が揃っているとの情報がある そんなバジェットの街から外れた路地裏にカイザーは立ちすくんでいる 剣を片手にし、返り血を雨によって流す姿は狂気でしかないだろう。無表情のカイザーは空を仰ぎ見て顔に付いた血を流す。カイザーには傷一つない。血は全て周りに転がっているバジェット王国の鎧を装備した兵士たちの者だろう 「っぐ…貴様…何者だ。このバジェットに争いを仕掛けて生きて帰れるぐぎゃあっ!!」 カイザーから少し距離のある位置で息のある者がいたようだが、カイザーは剣を投げつけて息の根を止めた
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