第25章-ドワーフ族-

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素早く動ける接近戦を得意とするヴェーダラと、魔法で遠距離から攻撃を重ねるハイリアでは相性が悪い。実力に差がある者であれば、あしらいながら戦うのは容易いが、ヴェーダラの実力はその身体能力の高さにあると言ってもいいだろう 元々人間の中でも実力のある者が実験台として選択される。その人間の人体を飛躍的に活性化させるための新薬の投与など、数々の能力上昇項目に使われてきたヴェーダラ達の身体はありえない程に強化されている 更に加えて食すことで強化される化物のような能力…何か副作用的な物はあるだろうが、脅威でしかない 一体のヴェーダラがハイリアへと襲い掛かってくる。敵意、殺意、全てがハイリアへと向けられているのが分かる。身軽な動きから岩などを蹴って方向転換を自在に行い、ハイリアの正面から一瞬にして背後に回り込み、後ろを振り返ったハイリアの前方に再度回り込んで、血で濡れた手を伸ばしてくる 「無駄じゃよ。既に【万物-理-法則(マター・メトローム)】が発動しておる…お前が幾ら早く動こうが関係ない」 【万物-理-法則(マター・メトローム)】とは、エルフ特有の特殊能力であり、その知力の高さから万物の動きを予測する事を可能にする技である。エルフが未来予知の出来る種族だと言うのは、この能力を見た者が言い始めたのが最初であるといわれている ヴェーダラの伸ばした腕を後ろ向きのまま躱すと振り返り様に手を突き出して、掌手を放つ。掌手には風属性の魔力が乗り、威力、破壊力共にハイリア本来の力では放つことのできない程の威力が込められている
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