第26章-四帝将-

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ガインズのナックルがラメシアへと迫る 唸りを上げて進む拳を直撃させられれば、四帝将の一人であるラメシアと言えどただでは済まないだろう。バランスの崩れた身体を無理やり捻ると血棘を前に構えでガードの体勢を取る ミシッ 歪な音がラメシアの身体の中を駆け巡り、ラメシアの耳へと聴こえてきた。確実に骨が軋む音だ…いや、今の一撃で折れてしまっただろう。剣でガードしたものの、その拳の威力は防ぎきれない。ラメシアは突き出された拳の威力を吸収しきれずに吹き飛ばされてしまった 地面を数回跳ねて、転がり、最後は地面を滑って止まる。常人ならば粉々になっていたであろう一撃だが、上手くいなして最小限のダメージにとどめた。しかし、最小限にとどめてこのダメージである 「っつ…いいねいいね…あんた最高だよ。この1年ずっとあんたを逃したことを悔いていた。ここであんたをやれると思うと嬉しくてたまらないねえぇ」 ラメシアの口から出たのは悲痛の言葉ではなく、歓喜の言葉であった。それは強がりなどではなく本心から言っていると声で分かる。右腕は完全に折れているのか力なくぶら下がっている、しかし、それすら気にすることなくラメシアは剣を左腕に持ち替える
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