第26章-四帝将-

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ラメシアは左腕で持っていた剣を右腕に突き刺す 折れた腕には感覚が無いのか分からないが、痛みに顔を歪めることは無い。表情は笑っており、自分の腕から流れる血を眺めている。常人から見れば狂気の沙汰であるこの行動も、ラメシアの強さを知っているガインズは警戒心を強め睨む 「さあ…【血棘】最高の血をあげるわ。今まで雑魚の血ばかりでごめんなさいね…」 ラメシアは嬉しそうに刺した剣を引き抜くと、血の滴る右腕の上を滑らせて血を塗っていく 血棘の切れ味は斬った者の血で増していく。そして、その者が強ければ強い程に切れ味は増していくのだ。そして、使用者の血を血棘が得た時…その切れ味は最上級となり、使用者自身の身体能力も大きく上昇する。魔力と血を消費してラメシアは【狂咲の薔薇】の完全体を手に入れる 「ふふふふ…きゃははは、いくわよいくわよおおおぉおおぉ」 ガインズへと急接近するラメシアの眼は先程とは違う。何かが乗り移ったかのように色あせ、しかし、狂気を帯びている。右腕は折れており、体中に火傷の跡があり、ボロボロの身体であるはずなのにガインズの頭の中には警戒音が響き渡っていた…しかし、それでも踏み出すのが歴戦の戦士【鋼拳のガインズ】である 「舐めるでないぞ!!!迎え撃ってくれるわ!【噴火拳】」
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