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3号館に、ホラー映画に出てくるような怪物が襲ってきた事。
麗治が佳奈美に暴行を加えていた事。
正直、両方信じられないような話だが、実際目の前に暴行を受けた跡の残る佳奈美がいる。
そして、3号館にいるはずの二人が今ここにいる事等から、嘘はついていないのだと悠斗は理解した。
そこで今度は、悠斗が1号館で見てきた事を大まかに伝えた。
『…………大体そんな感じだ』
説明を終えると、悠斗が自転車を押し始める。
『 とりあえず、一旦2号館に行こう。そこで二人と待ち合わせしてるんだ。詳しい話もそこに移動してから……って、おい!』
すると、遼平が悠斗の言った2号館とは逆の方向へ歩き始めた。
『おい、ちょっと待てって。お前人の話――』
『悪ぃ』
『は?』
遼平が首だけで悠斗に振り向き、一言告げる。
『俺、今お前らと一緒にいたくねぇ』
『滝本?』
それだけ言うと、そのまま遼平は走り去ってしまった。
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