0*プロローグ

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俺は未来の自分に全てを託したから、今いる俺にもう役目などないと思った。そんな生きていく上で役目のない人間がこの世に生きる価値がないのは当然だと思う。 そもそも、世界的には人口は増えているわけだし、税金も日本の産業も俺一人に 任されているということじゃない。 もし仮に、俺がこの世界で絶対的に必要とされているのであれば、俺は全世界から救世主と崇められて生きていくことができるだろう。 だが実際はどうだ? それどころか、社会は俺を排除しようとしている。まるで「生きていくな」と言わんばかりだろう。 そんな社会の歯車の1つにも、何かのパズルの小さな1ピースにもならない俺に、一体どんなわけで存在価値があるのだろうか――――。 そう、俺には生きる意味はない。というのも、正直生きるのが嫌になった。苦しくなった。だから俺はいつかの未来の俺に全てを託した。 そして、俺は――――
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