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ジトっとした目で、俺は、先ほどまでこちらの様子を覗いていたのだと漏らした優男と、その優男に向かって幼稚な悪口を捲し立てる学院最強の女の子を一瞥してから、
「ね、ねぇ。二人はどうしてここに来たの?」
平静を装って、咄嗟に顔に貼り付けた微笑みと共に尋ねる。
「アリシアちゃん。この場所に来られたら何か都合が悪かったの? え? ねぇねぇ、アリシアちゃん。ここに来られたら何か都ご――」
「パトロールだよ」
むかつく顔で思いっきり茶化しにかかってきたフウを遮って、リクが端的に答えてくれた。
「僕とフウと、あとユキちゃんは『学院祭』実行委員のメンバーの中から選抜された見回り隊の一員なんだ。お祭りの期間中、学院内で起きたトラブルとかちょっとした事件なんかの解決に尽力して、円滑なイベント運営を図るのが目的でね。ちなみに、この学院敷地隅の講堂にはたまたま立ち寄っただけなんだ」
これもパトロールの一環なんだよ。と、丁寧に説明してくれたリクに感謝の言葉を贈りつつ、
「そういえば、ユキヒメさんはいないみたいだけど……」
軽く周りを見回しながら、どうやら一緒ではないらしい女の子の事を切り出すと、
「ユキちゃんなら、今は三人分のお菓子を買いに行ってるよ」
すぐさま、リクが打てば響くような返答。
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