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「…………」
まるで新手の辱(はずかし)めにでも遭っているかのような心持ちで黙った俺に、しかし、リクはそれ以上話を追求してくるような気配はない。
ちらりと反対側を見やって、積極的に会話に参加して来ないエルの様子を窺ってみると……。
彼女は彼女で、美味しそうにクレープを食べながらこちらの様子を興味深そうに見守っているようだった。
……傍観者の姿勢を崩すつもりはないらしい。
(誰か助けてよぉ……)
心の中で情けない声を上げつつ、味の薄い焼き菓子を二口、三口と食べ進めた後、
(……あ、そうだ)
「ねぇ、リクくん」
変な居心地の悪さを払拭するべく、俺は気を取り直して少し思いついた事を彼に尋ねた。
「リクくん達って、三人で勝負してお菓子の買い出し係を決めたんでしょ? ところで、何の勝負をしたの?」
この三人の内で、ユキヒメが負ける競い合いのお題というのはいったいなんなのだろう? という、何気ない疑問からの問い掛けに対して、
「それはね、今日の運勢……。占いの内容の良し悪しだよ」
謎の間を挟んだ後に、リクは得意げに答えた。
……ふぅん。
「そっか。うらな……。えっ?」
思わず彼に向き直るのと同時に目が点になってしまった俺へと、何が可笑しいのかこちらの顔を見てくすくすと笑ってから……。
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