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「えっとね……。お部屋を片付けたばっかりでアレなんだけど、まずは少し休憩しない、かな?」
「休憩?」
小首を傾げて聞き返すと、
「うん。……アリシアちゃん、ちょっと疲れてるみたいだから…………」
エルは、いくらか上目気味にこちらの顔色を窺いつつ、囁くように言った。
「っ…………」
……少しの間、俺は彼女の気遣う眼差しと見つめ合ってから、やがてこくりと小さく頷いたのだった。
エルに勧められて休憩を取る事にした俺は、彼女に特別に出してもらった薄手の毛布を敷いた床の上で、四半時ほど横にならせてもらう事になった。
先ほどまで座らせてもらっていた毛玉クッションを枕代わりに、上着を脱いだブラウス、プリーツスカート姿で横向きに寝転がって、目を閉じる事三十秒。
早くも明滅し始めた意識の中で……。
けれど、俺はなんとなく、往生際悪くも今のこの状況についてうじうじと考えてしまう。
……好意による受動的なものとはいえ、初めて女の子の部屋を訪れて最初に取った行動らしい行動が仮眠というのはどうなのだろう。
実際疲れていたこちらとしては助かるのだが……。
……でも、なんだかなぁ。
「はぁ……」
なんとも言えないもやもやとした胸の内の感情を吐き出すように、俺はそっとため息をついた。
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