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「ず、ずっと正座してると足痺れちゃうよね!? あ、あのね、アリシアちゃん。実は、私もよく転ぶ方で……。えっと、それからね、女の子がちょっと恥ずかしいハプニングを体験するシーンとかって、物語の世界ではよく男の子との親密度が上がるイベントに繋がる重要なフラグとかだったりするから、むしろアリシアちゃんの将来的には大丈夫っていうか、その、あの……」
(……ちょっと待って、最後のっていったい何が大丈夫なの? あと、それからさっきのハプニングは“ちょっと”恥ずかしいどころじゃなかったよ)
いつの間にか、頑張ってフォローし続けてくれているエルの言葉の内容もおかしな方向へと進んで行ってしまい、
「……あ、ありがと、エルちゃん」
収拾がつかなくなる前に、俺は彼女に一言告げてから、そそくさと痺れた足でパンツの元へと向かった。
「はぁ……」
……とりあえず、エルがやたら『大丈夫』を連発している時は、状況的にも彼女の精神状態的にも大丈夫などではない事は分かった。
きゅっ、と、俺は前から、そして後ろからシャツの裾を引っ張りながら、そのまま逃げるように脱衣所へと急いだのだった。
その後。
どうにか無事に下着を着用した俺は、エルに借してもらった薄手の七分丈のズボンも穿き、ようやく就寝時の装いとなった。
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