終幕

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       1 「お疲れさま、アリシアさん。アリシアさん達の『演劇』凄く良かったよ」 にこやかに微笑みながら、パチパチと手を叩いて褒めてくれるリクを制しつつ、 「うん、ありがとう。……ねぇ、リクくん。ところで、さっき言ってたお話って何の事?」 俺は、単刀直入に本題を切り出した。 講堂での演劇が終了した後、出演者や裏方の皆と一緒に慌ただしく会場のセットを片付け、そして急いで女子制服に着替え直した俺は、終幕直後にリクから指定された場所へと赴いた。 告げられた場所は、Aランクの魔術士(ウィザード)のクラス。彼の所属している教室だ。 時刻はそろそろ夕刻に差し掛かるかどうかといったところで、窓の外には暮れなずむ夕日が見て取れる。 ……ちなみに、今この場所には俺とリクしかいない。 というのも、この時間帯ではほとんどの学院の生徒達は各々のイベントの片付けに追われていたり、打ち上げのために学校から出てしまっていたりするからだ。 また、自分達の教室ではイベントを行っていなかった魔術士クラスも正に、ご覧の通り、もぬけの殻だったわけである。 ……それにしても、リクのヤツわざわざイベントの終わり際に呼び出すとは…………。 よもや告白でもされるのではあるまいな、などと、何気に洒落にならない展開を想像して身震いしていたら、 「あぁ、それはね……」 指先で軽くあごを掻きつつ、少しの間、もったいぶるようにニヤニヤしながら口を閉ざしていたリクは……。 ……けれど、次の瞬間。 その態度を一変させると、いつにない真剣な眼差しと共に、こう言った。 「……キミの事についてだよ、“レオン”」 「……えっ」
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