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気持ち悪いだとか、気味が悪い、怖い。
悲しいことに沙樹を否定するすべての言葉は、彼の耳に届いた。
沙樹はふさぎこむようになった。
できるだけ目を閉ざし、耳を閉ざし、
必要の無い口まで閉ざすようになった。
結果、影口は減った。
しかしそれは、沙樹自身の存在が消されたという事実に他ならなかった。
誰も話しかけず、相手にもせず。
その場にいるのに、いないかのように、
まるで空気のように扱われた。
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