10人が本棚に入れています
本棚に追加
沙樹の五感は今や獲物のすべてに注ぎ込まれていた。
ふいに独特のニオイが鼻をついた。
動物が腐敗したような、鼻を覆いたくなるような悪臭である。
沙樹は準備していた正方形の紙きれを、
胸ポケットからすばやく取り出した。
その紙切れの四つ角には、それぞれ東西南北の文字がある。
(どこだ・・・)
目を見開き、意識を集中させる。
最初のコメントを投稿しよう!