303人が本棚に入れています
本棚に追加
「え、な、なに?瑠衣、おまえ同性愛者だったのか?」
「勘違いしないで、めんどくさいな。たまたまテレビでやってたのを観てただけ」
もし、俺が同性愛者だったとしても、ナギには関係無いことじゃないか。
なんでそんな、焦ったような……。
いや、でも…
そういうものなのかな。
幼なじみが同性愛者だったら。
でも、もしナギがそうだったとしても別に俺は…俺に被害が無きゃ気にしない。
「なんだ…脅かすなよ」
脱力したように、ナギは俺の隣に腰を下ろした。
「勝手に驚いたんだろ」
ガリ─
と、アイスを噛む。
その音に反応してか、ナギは俺の手に持っているアイスを見た。
「良いの持ってるな」
「母さんがくれた」
「美味い…?」
「風呂上がりだから格別。……ン」
凄い欲しそうに見てくるから、ナギにアイスを向ける。
そしたら、ナギは嬉しそうにアイスを食べて見せた。
一口。
大きな一口で、
ガリッ──
と。
「食べ過ぎ」
「ん、わ、わり」
まあ、ナギだから良いけど…。
その後に、直ぐ溶けそうになるから、直ぐに食べた。
なぜか、ずっとナギに見られている。
怖い。
めんどくさいな。
「……なに」
「いや?」
いや?じゃないでしょ。
「そうやってずっと見られてると、気持ち悪いんだけど」
そうすれば、ようやくと言った感じに、ナギは俺から目を逸らして。
あぁ、ほんとう。
なんでこんなにナギはめんどくさいんだろ。
「……めんどくさいなぁ」
ボソッと口にすれば、ナギはいつも反応する。
「本当、面倒くさがりだよな、おまえ」
と。
毎度同じ言葉を返してくる。
「ウン、そーだね」
と、俺も同じ言葉を返す。
最初のコメントを投稿しよう!