153人が本棚に入れています
本棚に追加
「お濃は・・・
気位の高い女であった。
嫁いで来たその夜も、かたくなに予を拒むのだ。
予も若かった。」
信長公は、自嘲気味に語る。
美加は葡萄酒を味わう。
「初めて男に抱かれるお濃を、予は力尽くで奪った。
婚姻したのだから夜を共にするのは当然であろう。
しかし・・・後味の悪い夜であった。
それからも、夫婦であるのだから一定以上の時を空けぬように通った。
不仲であると美濃に、斉藤道三に言われるのも、尾張としては避けたかった。
お濃を大切にしている、それ故に頻繁にお濃の元に信長が通っていると、美濃に思われたかった。」
最初のコメントを投稿しよう!