第3章 鑑定部屋

4/10

10人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
多神子の部屋にある「筮竹」は神器である。 若い時から、多神子が愛用しているものでもあり たくさんの人に幸運を導いてきた。 「 なるほど‥。このクラスの占術道具になると、 神様が宿るのね。 筮竹さん、大好物の焼きそば、お供えさせていただきますね 」 あかりは、かるく筮竹に手を合わせると みさとに言った。 「 お買い物してくるから、おばちゃんとお留守番しててね 」 「 は~い。まるちゃんと遊んでる 」 まるちゃんとは、多神子が飼っている猫だ。 名を《まるたろう》という。 濃いグレーと白のツートンカラーで、尻尾が長い半神猫。 半神なので、人の言葉をしゃべる。 あかりには「ニヤー」としか聞こえないのだが…。 まるたろうには、普通の猫にはない風格がある。 どっしりとしていて、いつも寝ているが眼光は鋭い。 そこにいるだけで、周りを安心させるような 雰囲気を持った猫である。 まるたろうがいるなら安心して、出かけられるというものだ。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加