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多神子の部屋にある「筮竹」は神器である。
若い時から、多神子が愛用しているものでもあり
たくさんの人に幸運を導いてきた。
「 なるほど‥。このクラスの占術道具になると、
神様が宿るのね。
筮竹さん、大好物の焼きそば、お供えさせていただきますね 」
あかりは、かるく筮竹に手を合わせると みさとに言った。
「 お買い物してくるから、おばちゃんとお留守番しててね 」
「 は~い。まるちゃんと遊んでる 」
まるちゃんとは、多神子が飼っている猫だ。
名を《まるたろう》という。
濃いグレーと白のツートンカラーで、尻尾が長い半神猫。
半神なので、人の言葉をしゃべる。
あかりには「ニヤー」としか聞こえないのだが…。
まるたろうには、普通の猫にはない風格がある。
どっしりとしていて、いつも寝ているが眼光は鋭い。
そこにいるだけで、周りを安心させるような
雰囲気を持った猫である。
まるたろうがいるなら安心して、出かけられるというものだ。
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