10人が本棚に入れています
本棚に追加
神宮寺あかり 17歳。
ごく普通の高校生である。
実家は神社で、縁結びの神様を祀ってある。
神様とご縁の深い生活環境にいるせいなのか、
あかりの部屋には「金太&花」という
双子の座敷童子(ざしきわらし)が住んでいた。
人間の子供でいうなら、5歳くらいだろうか
Tシャツにハーフパンツ、
スカートという出で立ちだ。
そこらへんの子供の中にまぎれても、
なんら違和感なしである。
もちろん、見えればの話だが…。
大好物はフライドポテトらしい。
「らしい」というのは、
これはすべて妹のみさとに
教えてもらった情報だからだ。
もうこうなると座敷童子(ざしきわらし)
と言うより、座敷キッズである。
「あっっ!! シッッ!! あっちさいげ!!」
「んだ!! おっかねー! あかり~虫さでたど!
掃除してけろ!!」
なぜか東北弁。
あかりには、金太と花のこんな会話も聞こえない。
姿が見えないのはもちろん、気配すら感じないのだ。
しかし、あかりには4歳になる妹のみさとがいる。
幼いながら高い霊能力を持ち、
見えないものを見、聞こえない声を
聞くことができるのだ。
「姉さま、金太と花が掃除してけろって言ってるよ!
ゴキブリ出たって!!」と、このように教えてくれる。
「え~!! どこっっ!!」
まるで神様との間を取り持つ、通訳のようである。
実に頼もしい。
それと、誤解のないように書いておくが、
座敷童子は神様なのです。
幽霊や妖怪のたぐいではないので、あしからず。
で、言うても子供の神様だから、
大した力はないだろうと思っている
そこのアナタ!!
それはとんでもない誤解です。
金銭運はもちろんのこと、家庭運,健康運、
仕事運に至るまで、あらゆる運の底上げをしてくれ、
運命そのものを好転させるほどの力を持つ
有難い神様なのだ。
すごいのである。
最初のコメントを投稿しよう!