第4章 陰陽師

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多神子は夕食を済ますと身を清め、 祈祷所で 瞑想(めいそう)をはじめた。 「‥何か来るわ‥‥」 悪しき者ではないと思う。 何故ならこの龍脈全体に、 ≪邪悪なものを通さない≫ という 特別な 結界をはりめぐらしているからだ。 多神子も結界をはることはできるが、 さすがに龍脈全体となると、難しい。 なので 多神子の古い友人  結界師の 朝田蔵之助(あさだくらのすけ) に頼んで結界を張ってもらっているのだ。 邪悪なものが入り込むことはないと思う。 ものすごい神気(しんき)を帯びている  何かが‥こちらへ向かってくる。   神様だろうか? 多神子は思念による交信をこころみる。   「あなたは どなた様ですか?」 「‥‥‥ 」 「どのような要件ですか?」 「‥‥‥ 」 駄目だ。  さっぱり応答がない。
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