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多神子は夕食を済ますと身を清め、
祈祷所で 瞑想(めいそう)をはじめた。
「‥何か来るわ‥‥」
悪しき者ではないと思う。
何故ならこの龍脈全体に、
≪邪悪なものを通さない≫ という
特別な 結界をはりめぐらしているからだ。
多神子も結界をはることはできるが、
さすがに龍脈全体となると、難しい。
なので 多神子の古い友人
結界師の 朝田蔵之助(あさだくらのすけ)
に頼んで結界を張ってもらっているのだ。
邪悪なものが入り込むことはないと思う。
ものすごい神気(しんき)を帯びている
何かが‥こちらへ向かってくる。
神様だろうか?
多神子は思念による交信をこころみる。
「あなたは どなた様ですか?」
「‥‥‥ 」
「どのような要件ですか?」
「‥‥‥ 」
駄目だ。
さっぱり応答がない。
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