第4章 陰陽師

3/9

10人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
何者かはわからないが、 高貴な霊体にちがいない。 「 失礼のないように、 お迎えしなければならないわ‥‥」 多神子は祈祷をはじめた。 すると、鑑定部屋から あかりの声がした。 「 タミおばちゃん、何か光ってる!! 」 鑑定部屋に行くと、 窓際のテーブルに置いてあるスマホから 青白い光が放たれていた。 その光の粒子が集まり、 人型のようになっていった。 すると真っ白な浄衣をまとった、 優美な男性が現れた。 片手には、宝珠を持っている。 浄衣をまとっていることからして、祈祷、占術、 などの神職に就いていた方に違いない。 それに 暖かい白銀のオーラが 並々ならぬ霊力を物語っている。 多神子は おったまげていた。 普通、霊体は自分の波動に同調しやすい 霊能力者のもとに降りてくる。 霊能力者そのものが、 アンテナのような役割をするからだ。 多神子ほどの霊能力があれば、 どんな霊体の波動にも同調できる。 それなのに、である。 この霊体は、スマホの中から現れたではないか!! 「 違うだろ!! 」と突っ込みたくなるほど 実におったまげる現象である。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加