第4章 陰陽師

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「 時がきました。 約束を果たす時がきたようです 」 唖然としている 多神子とあかりを見て、 霊体は語り始めた。 普通この場合、今までのあかりであれば  《見えない》はずだが、 あかりにも《見えた》のである。 ここ数か月の、修行? の成果かもしれない。 「 名を申します。  私の名は[悠之丞(ゆうのじょう)] 平安後期の 陰陽師(おんみょうじ)でした。 子孫の力を 借りるべき時がきたようです 」 「‥えっと?  子孫って ??   誰が??」と あかり。 「 そなたの事です 」と 悠之丞。 そして 悠之丞は、 多神子のほうに向き直り こう言った。 「 私に語りかけてきたのは、そなたでありましよう? 何やら 子孫の波動をたどるうちに、 月の器のようなものに 乗ってここまで滑ってまりました。 それがものすごい速さでして、 いやはや このような事は はじめて経験しますゆえ、 返答できずにおりました。 これも時代の流れというものでしょう、 霊体を運ぶ乗り物があるとは!」 「 ええ、私もびっくりしておりますよ。 霊体も運べると言ったほうが正しいでしょう。 これは 通信機器の端末でございますからね。 私らが若いころは、 こんなに便利なものはございませんでしたから、 施術の方法も時代とともに 変えてゆかねばなりませんねぇ 」
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