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悠之丞は続けた。
「 私はこの度、
天界での1000年にも及ぶ修行が認められ、
神上がりを果たすこととなりました。
神界へと行くためには、
今まで培ってきた力を置いてゆかねばなりません。
そこで、この良い機会に
私の陰陽の力を そなたへ渡したいのです。
子孫であればこそ、
私の力を無駄にすることなく、
自分の未来と 自分を取り巻く周囲の人たちのために
活用してくれると信じております。
受け取ってくれますね? 」
「 あかりちゃん、心配することないわ。
ご先祖さまが、せっかくこう仰っているのだから、
力を波動として、
あなたの魂に浸透させましょう。
浸透させた力を使うには、
それなりの訓練が必要よ。
いきなり 見えないはずの者が見えたり、
式神を操ることが出来たりするわけではないの。
だから、怖がらないでおばちゃんに任せてみて。
それに、眠っている本来持っている力にも
いい刺激になるかもしれないわ。
目覚めちゃったりしてね! 」
そういう施術は多神子の得意分野にして真骨頂だ。
「おばちゃんがそういうなら‥‥ 」
「それに、そこの巫女殿、
私の神上がりの儀も
一緒にとりおこなってくれませんか?。
そののち、
宝珠の封印を解き放ち
《孔羽》を子孫の守護存在に
するのが良いでしょう 」
「あらまあ! なんて忙しいの!
巫女ではないのですけど、
こうなったら精一杯
努めさせていただきますわ。
腕の見せ所というやつですね 」
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