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すると悠之丞は、
合掌(がっしょう)した手を
ものすごい勢いでこすりはじめた。
ナンマイダ-の超ウルトラ高速バージョンである
「 ひょおおぉぉぉぉぉぉォォォォ‥‥!! 」
と、悠之丞の周りに
小さい竜巻のような風がまきおこった。
あかりは、悠之丞の優美な姿から
想像もできない動作にビックリしたが、
「ぷっっ」と笑ってしまった。
「 何してんの? ひょおおおぉぉって、
陰陽師ってもっと スマートに
九字切りとかするんじゃないの?
臨!兵! 闘!者!皆!‥って 」
と心の中でつぶやいた。
悠之丞は、時々両手の中に
風船を膨らますみたいに ふうっと息を
吹きかけながら手をこすり合わせている。
すると悠之丞の手の中に、
ソフトボール大の
青白く光るものが現れた。
波動玉(はどうだま)だ。
「 子孫よ、よく見るがよい。
これが陰 すなわち
《 月の波動 》である 」
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