第4章 陰陽師

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すると悠之丞は、 合掌(がっしょう)した手を ものすごい勢いでこすりはじめた。 ナンマイダ-の超ウルトラ高速バージョンである 「 ひょおおぉぉぉぉぉぉォォォォ‥‥!! 」 と、悠之丞の周りに 小さい竜巻のような風がまきおこった。 あかりは、悠之丞の優美な姿から  想像もできない動作にビックリしたが、 「ぷっっ」と笑ってしまった。 「 何してんの? ひょおおおぉぉって、  陰陽師ってもっと スマートに 九字切りとかするんじゃないの?  臨!兵! 闘!者!皆!‥って 」 と心の中でつぶやいた。 悠之丞は、時々両手の中に  風船を膨らますみたいに ふうっと息を 吹きかけながら手をこすり合わせている。 すると悠之丞の手の中に、 ソフトボール大の 青白く光るものが現れた。 波動玉(はどうだま)だ。 「 子孫よ、よく見るがよい。 これが陰 すなわち 《 月の波動 》である 」
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