第1章 神宮寺 あ か り

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2・守護霊さま  守護霊というのは、誰にでもいるものらしい。   御先祖様とかが守護につくのが一般的だと考えられている。 まれに、守護霊がいない人もいるかもしれないが、 普通は、一人につき一柱(神様は一柱と数える)が平均なのだそうだ。 あかりは、自分の守護霊様がどんな人なのかとても興味があった。 それというのも、みさとは自分の守護存在と会話をしているらしかった からだ。 みさとには数十名の守護存在の方々がいて、その代表格がご先祖様の 武家の姫君なのだそうだ。 みさとは「姫ちゃん」と呼んでいる。 その姫ちゃんの口調が、みさとにうつるので、みさとはあかりを 「姉さま」と呼ぶ。 あかりは聞いてみたことがある。 「お姉ちゃんの守護霊さんって誰だかわかる?」 「いっぱいいるよ 」 「じゃあね、一番目立つ人はどんな人?」 「龍の人」 「えっ?…。それって龍なのか人なのかどっち?」 「いつもはオジサンで、時々龍になる人。(たつしん)?? 名前は(たつしん)って言ってるよ 」 「ふ~ん。 龍神様かな、もしかして… 」 みさとの話では、よくわからないが、幼いので無理もない。 「私にも見えたらいいのに… 」とあかりは思う。 もちろん、幽霊だとかオバケのようなものの姿を見たり、声が聞こえたり するのは、気持ち悪いので嫌だが、守護霊となると別である。 日頃から自分の事を護ってくださる存在であるからして、何か吉報とか、 注意する事とかあったら、直接聞きたいと思う。 もしかしたら、「東南の方角にて、宝くじを求めよ 」とか金運のチャンスを 教えてくれるかもしれないじゃない。 なんて、不純な動機の都合のよい事を考えてみたりする。 それというのも、あかりはスマホ、もしくは iPhone が欲しかった。 何とかして、お金を貯める方法はないものか…と、常日頃から考えているのだ。 まだ未成年だし、月々の通話料の事を考えると、親の承諾なしには買えない。 高校生のあかりにとって、必需品という訳でもない。 ガラケーで充分だと親は言うだろう。 でも、何故だかスマホを買わなければ……という焦りにも似た気持ちが、 あるのだ。 ドラえもんみたいな守護霊様いたらいいのに…。 「うじうじ考えててもしょうがない。      お母さんに相談してみようっと 」
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