第1章 神宮寺 あ か り

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4・スマホを買う  いままで、お年玉や月々のお小遣いを貯めたお金が5万円。 実家の神社の御守り売り場で、巫女のバイトをして貯めたお金が 2万円。 御守りを手作りして売って得たお金が1万5千円。 そう、あかりは御守りを手作りして売っていたのだ。 実際、これがけっこう売れた。 デザインが可愛らしく、手作り感が若い女性にウケルのだと思う。 値段も一個 500円とリーズナブルだし、なにより「多神子おばちゃん」 に気を注入してもらうのだ。 効果絶大である。 「多神子(たみこ)」とは、あかりの祖母の妹で、近所に住んでいる      霊能力者のことだ。 「う~ん、 全部で8万5千円か‥。   けっこう貯まったよね、頑張ったもんね…」 あとは、親の許可をもらうだけだ。 スマホを買う事を、許してもらえるかどうかわからないが、 なんだか気が重い。 「通話料金が高いんだよね、スマホって‥」 ダメもとで、とりあえず相談してみることにする。
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