第1章

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糸 「日本ではね、蚕って虫がいてね。桑の葉を食べて蛹になるために糸を吐くんだ。その糸を紡いで作るのが絹っていう布になるんだ」  フィーィ、フィフィー 「この森にも布に出来そうな糸を吐く虫いないかなー?知らない?」  フィー!フィフィー、フィーィ  その日の晩。コロコロ達がふよふよ飛びながら乗せて運んできたものは…… 「うっわ!どうしたのそれ!返してらっしゃい!」  エメラルドグリーンに輝くフワフワの体毛がもっさりの、掌サイズの蜘蛛2匹でした。 『こいつの糸はとても丈夫で綺麗だし、必要以上に糸を吐くから飛んでると引っ掛かるんだって。使えない?て言ってるよ』 『とても大人しいんだと。ミズキに噛みついたら踏み潰すから安心しろ』  目があうと前足をくいくいっと挙げた。挨拶か?あ、どもっ。て思わず呟いちゃった。  とりあえず飼ってみるミズキでした。蜘蛛は平気さー。
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