第1章

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糸② 「あれ!緑蜘蛛がおるでないか。どうしたえ?」 「コロコロ達に布になりそうな糸を出す虫を探してもらったらこれが来たんだよね」 「これは雌雄だね。卵を産むときに糸とは違うもんでくるむけぇ、それ取っときない。いい香料になるでな」  なかなか採れない高級香料だそうな。 蜘蛛が臆病だから手の届かない、高く奥まった所で卵を産むから。  手を伸ばすとぴょんっと飛び乗ってくる。慣れると可愛く思えてくるから不思議だ。 「卵を産んでも全員は飼えないからね?森に放すよ?」  流石に蜘蛛屋敷はいやです。
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