第1章

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貴方の側が私の居場所① 「風が冷たくなったねぇ」 『もうそろそろ雪が降るだろうな』  森の木々もすっかり葉が落ち、本格的な冬が来るのを待っているよう。 「ケールの木も葉が落ちちゃったね。大きくなったなぁ」 『でもいきなりどうしたんだ?ケールの木を見に行こうなんて』 「ん?この木は琥珀と一緒になるって決める一年位前に植えたでしょ?花が咲いたら一緒にお花見しようねって」 『ああ、そうだったな』 「種を植えた頃は、琥珀と番なれるなんて思ってもいなかったんだ。琥珀のくれた一生のお願いは忘れられないねー」 『あれでも必死だったんだぞ?こっちは器を変える時期でもあったし、ミズキは冬に来ないから魔力が下がれば当分会えないかもと思ってな。  会えない間に誰かがミズキの1番になってしまったらとか、小人と仲良くなっていった時だったから小人達にとられるかもとか考えたら止まらなかった』
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