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とある女性の決意②
アグレスとレティシアは深い悲しみを胸に秘めたまま、それでも前を向き、母の眠りを妨げないよう日々を過ごしていった。それでもたまに悪夢にうなされて、深夜にこっそり私の寝台に潜り込んでくることもあった。
それでも若さの特権か、心の平安を取り戻し笑顔を見せてくれるようになった。
残りの心配は、グラウスとミレイ。
グラウスは後を追うのではないかと。
それほどに嘆き悲しみ、食事を取らず眠りも浅い。今の彼には子供達も目に入らないようで、毎日霊廟に赴いてはじっと佇んでいた。
ミレイは産まれたときから体が弱く、成人どころか五歳を迎えられないと医師が言っていた。国中の医師を集め治療を施すも芳しくない。
あれから一年が過ぎた時、夫から聞いた。
グラウスが王位継承権を手放すと。
私は二人の子を産んだが共に難産で、それが元で次の子は望めなくなった。息子が亡くなり継承権はグラウスに移ったが、新たな妻を迎える気はない、継承権はその息子アグレスにと願い出たそうだ。
夫は受け入れた。私もそうなるだろうと思っていた。やっと愛する妻を失った夫から、愛する子供達の父として歩き出した彼を嬉しく思った。
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