第1章

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とある女性の決意⑤  諦めていた所に希望の光を差し込んでくれた魔術師で医師のミズキさん、私よりも華奢な美しい人だった。  グラウスによると、時間はかかるが必ずや治ると診断されたと。そして、親として怠慢だと指摘されたと。  長年共に暮らしてきた私達が気付かなかった問題をその医師はたった1日の診察で見抜いた。  指摘された事はあまりにも情けないもので、そんなことであの子が苦しみ続けたかと思うと、気付けなかった自分が腹立だしく、申し訳なかった。  施された治療は未知のものばかり。問題のメイドは左遷し、私付きの信頼のおけるメイドを補佐とした。  グラウスや私達がなるべく食事を共にし、見守ることにした。  あれから季節も何度か替わり、やっとミレイ達と貴女に会いに来れた。  不甲斐ない親代わりでごめんなさい。  この子は外を散歩できるまでに回復したわ。安心してね。これからもこの子達の幸せを見守ってちょうだいな。  1つ心配なことがあるの。アグレスがミズキさんに惚れ込んでるのよ。気持ちはわかるんだけど全然相手にされてなくて、しつこくして魔法で吹っ飛ばされてるのを見たわ。  私、育て方を間違えたかしら?
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