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国王の企み
自分の執務室に宰相大臣が勢揃い。
ため息が出る。
「陛下、各国からの嘆願書が参っております」
「こちらは王族の女性からの申し込みになります。
「お断りしても使者の来訪が止みません。いかが致しましょう」
「致しましょうと言われてもなぁ。断るしかないだろうが。結婚の申し込みもだ。出来ることならレティシアの婿にしたいわ」
「「「そうですなぁ」」」
アグレスの披露宴で噂の薬師であり魔術師であるミズキ殿を知った他国の王族が、彼と縁を持ちたくアプローチしてきたのは、あれからすぐだ。
是非来国して欲しい、紹介して欲しい、娘を嫁にと喧しい。
彼は黒龍と契約しており、結婚と同義である、嫁はいらんときっぱり言っていたといっても引かない。
彼の持つ知識と人格は素晴らしいものだ。
ミレイと私の命の恩人である彼が、今まで以上の繋がりを我らと持ってくれるならこれほど嬉しいことはないのだが、ミレイの主治医の立場からはあまり近づいてくれない。
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