第1章

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パイを夢見て① 「昨日やっとお母さんから機織りの糸紡ぎしてもいいって言われたの」 「あら、良かったねー。いっぱい練習したもんねぇ」 「なら次は布にしてもええような糸を紡げるようにならんとなぁ」  集落の畑の隅で、収穫した野菜を倉庫に入れる準備をしている4人娘が、きゃいきゃいお喋りしてます。  年の頃は11歳から14歳の女の子達。  手をきちんと動かしてればお喋りしてても怒られません。  一緒にお手伝いをして、一緒に遊んでと仲良し4人組はいつも元気です。  その中で一番小さい女の子、リーディちゃんが嬉しそうに報告してきたのが糸紡ぎ。  布にするにも縫い糸にするにも、一番重要なのは糸。均等の細さで紡がないと針穴に引っ掛かったり切れたりします。  10歳になると男の子も女の子も糸を紡ぐ道具を渡され、家で練習を始めます。
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