第1章

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パイを夢見て②  布はとても貴重品なんです。  材料を収穫し糸を紡ぎ織り上げて作るのですから、手間と時間と腕が要求されます。  何より糸がないと始まりません。  糸の良し悪しで全てが決まるといっても過言ではないのです。  なので子供の内から練習するのです。  リーディちゃんはやっとお母さんから機織りに使っても大丈夫な糸だと認められたのです。  他の3人に少し追い付けたことが嬉しいようで、ニコニコしながら要らない葉っぱや土を取っては箱に入れていきます。  この糸紡ぎ、結構難しく子供には難関なのです。許可が出た日の夕飯がちょっと豪華になり、特別におやつなんかも出ちゃったりするくらいに誉められ、ちょっとお兄さんお姉さんになったねと認められるのです。
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