第1章

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きゅーちゃん嫁入りする 「まあこんな感じででかくなるんだわ。で、食欲落ちたら繁殖期に入ったってことだで。だけえ、雄の居そうな岩場のある川辺に放してやらないけん」 「繁殖が終わったら戻ってくるんですか?」 「いんや。野生に戻るで。子育ても番でするしな」 「てことは、きゅーちゃんとはお別れですか……」 「んな悄気らんでもええが。立派に育てて嫁にだすと思いないや」  こちらに越してきて琥珀以外では初めての家族みたいなもんだから、情が移りまくりなんですよ。 「食欲落ちて数日経ってるなら、もう放した方がええ。このまま放しに行くか」 「自然の営みには逆らわない方がいいですよね。  きゅーちゃん!甲斐性のある良い男見つけるんだよ!」  きゅー
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