第1章

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花畑王子の懺悔①  両親は政略結婚だったがとても互いを思いやる、仲の良い夫婦だった。  子供の私達をとても慈しんでくださる自慢の両親だ。母上が突然亡くなられた時は悲しかったが、それ以上に心の壊れかけた父上が心配で、弟妹達が心配で。  色々あり私が皇太子となり許嫁も決まり、弟の体以外は心配事もなくなり、尊敬する陛下の跡を継ぐため勉強に剣術にと励む毎日だった。  婚約したばかりの姫はまだまだ幼く愛らしい姫で、頬を染めて私を見上げてきた。女性として愛情を抱くというより、妹が増えたと感じていた。  ある日、弟の主治医が替わったことを聞き、挨拶に向かった先で私は女神に出会えた。心臓が止まっていたんではなかろうか。それくらいの衝撃だった。  初めてのことだった。  それからは夢中だった。周りすら見えなくなるほどに。
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