第1章

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花畑王子の懺悔②  艶やかな長い黒髪、不思議なクリーム色の肌、焦げ茶色の瞳が弟を見つめ、アルトの甘い声で語りかけ優しく微笑む。  大事な弟の診察中だというのに、こちらを向いてほしい。私に微笑みかけて欲しいと強く思った。  そしてやっとの事で自己紹介をし、気付けば手を取り愛を囁いていた。  そして凄い勢いで部屋の端に吹っ飛ばされた……。  皇太子として国内外の様々な事を知り、身に付けたと自惚れていたのだろう。龍というものが実在し、人と契約を交わすことがあるなど。つ、番と思うほど情があるのだと。それをそのままの意味で受け入れる人がいるなど。  その人が私の女神だったなんて……。
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