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紫音は、窓の外を見ていた。
私の方は、けして見ようとはしなかった。
ホームルームが終わると、私は席をたった。
“笑顔”
その言葉を、思い出しながら一番前の席に向かった。
「ち~な~みっ!」
私は、いつものような作り笑顔で元気よく声をかける。
今日も、どうかばれませんように
それだけを、願って
「歩美!?びっくりするじゃんかぁ~!!」
全然驚いてないよね?
「ごめんごめん」
思ったことは、口に出さない。
それが、一番
「許したげる!それより、さっきのハゲっちうけたよね~」
ゲラゲラ笑いながら、机をたたくのは私のグループのリーダーでクラスの中心人物
伊藤ちなみ(いとうちなみ)
「たしかに、笑えたぁ~」
本当は、ずっと無表情だった。
だけど、それは言わない。
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