プロローグ

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制服に着替えて鏡の前に移動すると、制服のリボンを整えてから、腰まであるウェーブのかかった栗色の髪に櫛を通し、髪を後ろに束ねてポニーテールにした。 自分の顔に変わりは無いかとなんとなく眺めてみるが、そこには眠たそうな顔をしたいつも通りの自分が居るだけだった。 そのとき下の階から声がした。 お母さんが、私に向かって何かを言っているようだけれど、よく聞こえない。 部屋の扉を開けて廊下に出ると、ようやく何を言っているのかが聞こえてきた。 「真央ー起きてるー?」 「起きてるよー」 お母さんが私の名前を呼んで起床確認。 返事をしないといつまでも叫んでいるので、階段の上から言葉を返す。 「お迎えが来てるわよ」 「え?もう?」 お母さんの言葉に私は慌てた。 急いで歯を磨いて、急いで顔を洗って、急いで階段を降りていく。 急ぎすぎて、階段を踏み外しそうになったけれど、手すりにしがみついて何とか耐えた。 無事に階段を降りきると、リビングでは朝ごはんの置かれたテーブルを囲み、お母さんとお父さん、そして、近所に住んでいる幼馴染にして親友の薫が椅子に座っていた。 「おはよー」 「おはよう」 薫が無邪気に笑って挨拶をするものだから、私も自然と笑顔になり挨拶を返した。ついでにと言わんばかりにお父さんとお母さんにも挨拶をすると、挨拶は家族が先だろうと小言を言われたが、笑いながら言っていたので大して気にしている様子でもなかった。 朝食は済ませた薫を残して急いで朝食を食べ終えると、両親に行ってきますと言い、足早に家を出た。 急いで家を出たのは良いものの、学校に行くには少し早い時間だった。
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