9月10日から忌明けまで

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さっき小説に気持ちぶつけたばっかりやのに、また落ちてきた…。 やっぱりまだ、幸せそうな人を見たりすると辛いなぁ…。 今も隣りの部屋で生まれたばかりの赤ちゃんを紹介する番組やってるの聞いてたら、なんとも言えへん気持ちになった。 消えゆく生命がある一方で、新しい生命が芽生えるのも事実。 こっちは哀しみの断崖絶壁にいるのに、赤ちゃん生まれたばっかりの人は幸せの絶頂にいるんやろうな~って思ってしまう。 羨んだところで仕方ないのに、不幸の『ふ』の字も感じさせへんその笑顔にイライラしてしまう自分がいる。 母が亡くなった日、こんな事態になってもお腹は容赦なく減った。 母はもう… 大好きなアイスを食べることも、 大好きなケーキを食べることも、 パフェを食べることも、 コーヒーを飲むことも、 できない…。 なんでこんな時にまでお腹が減るのか…。 母の時は止まったのに、テレビでは有名人たちが楽しそうに笑ってる。 人の気も知らんと笑ってる…。 大切な人の生命が尽きようとも、残された者はその後も歩み続け泣けばならない。 尽きる生命に年齢は関係なく、容赦なく天に召される。 辛く哀しいとき、いつも思うことがある。 親ではなく、子を亡くした人はもっともっと比べようがないくらい辛いはず。 病気ではなく、事故や自殺で亡くした人は、もっともっと比べようがないくらい辛いはず。 前日まで病気一つしていない人が、災害や殺人で一瞬にして奪われてしまう生命もある。 私はたった一人、母親だけを亡くしただけやけど、事故や災害で何人もの大切な人を亡くす人もいる。 その人達に比べたら、私の今感じてる苦しみはちっぽけなものなんじゃないかって…。 幼い生命が尽きることほど胸を傷めることはないと思う。 私には子どもはまだいないし、失ったこともないから、想像することしかできないが、 想像と現実はやっぱり違うから。 実際に経験してみんとわからへん辛さやから…。 それに例え同じような立場の人を亡くしたとしても、人それぞれ感じ方が違うと思うから。 そうでも思ってへんかったら、心が引きちぎられてしまいそうやから。 死んだら感情はどうなるんやろ?淋しいのかな?辛いのかな? これも想像するしかないのか…。
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