仙台にて

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本当にそろそろ解約しないといけない時期に来てしまったんですね…。 頭ではわかってはいるんですが、どうしても気持ちがついて行かなくて…。 解約することで、否応(いやおう)なしに母の存在がこの世にはもう無いということを突きつけられてしまうような気がして…。 母の遺影に、服もらうで?って話してたんですけど、まだ母のタンスに入れたままなんです。 それさえも持ってきてしまったら、母がこれを着ることはもうないんやって確信してしまうみたいで…。 母の姉である伯母は…、ちなみに、前述の伯母は父の姉です。 母の姉である伯母は、生前、母がたくさんあるおニュー(新品)のハンカチをどうしたものかと相談してたようで…。 「いつも服やらもらってばっかりやで、姉ちゃん使わへん?」って話してたそうなんですけど、 伯母もたくさん服をくれるくらいやからハンカチもたくさん持っていたのでしょう。もらわなかったと話してくれました。 「お母さんのハンカチいっぱいあるやろ?あれな、あんなにいっぱいあっても使わへんやろ?○○〇ちゃんやら○○〇ちゃんにもらってモロたらいいねん。良かったら使ってって言ってよ?」 って、伯母は私の従姉妹に使ってもらうようアドバイスしてくれました。 それすらもまだ、手がつけられてないんです…。 父も母が着ていたものを捨てられないのか、お葬式の次の日に、家の裏にお洗濯した母の服を十文字の竹に通した服がトイレのところの物置にまだ置いてあります。 お通夜に使った布団もまだ捨てられていないようで、「あれほかすんけ?」なんて聞いてきて、 今は亡くなった母が使っていた毛布を敷いて寝ています。 言葉には出さなくても、父もきっと淋しいのでしょう…。 自分の母親である年老いた92のばあちゃんの世話をする父。 昼夜が分からなくなったばあちゃんが、夜中に湿布を貼ってほしいと言ってききません。 そんな様子を見てると、母の老いた姿は見たくなかったから、お互いにこれでよかったと思ったり…。 親が物忘れが酷くなり、薬飲んだかもわからへん姿なんて見たくないよね…。
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