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母は老後のことも心配していました。
「おばあさんはウチらが病院連れて行っちゃれるけど、ウチらがおばあさんくらいの歳になったら、病院に連れてってくれるもんがいいひん」
一人娘にもかかわらず、主人の元に嫁いだ私…。
心が痛かった…。
「病院代がマル福が外れて高うなったら年金だけでは払えへん、お父さんの給料は去年と同じやのに、病院代が高うなったら病院にも行けへんで役場に抗議しに行く」
鼻息荒く出かけていった母。
結果は、私が嫁いだことにより、扶養が外れたから。マル福は付けてもらえなかったようです。
母が亡くなったのはその1、2ヶ月後のことでした。
私が結婚して仙台に行かへんかったら母ちゃん死なへんかったん?
自分を責めたこともありました。
心では病気やったから寿命やで仕方ないとしながらも、やっぱり納得いかなくて…。
母が亡くなった日はたまたま、母の実家で親戚を呼ぶ日でした。
お盆で亡くなった人が家に帰ってきていて、その日は母も行く予定だったんです。
その日に亡くなるなんて…。
母の父であるじいちゃんや母の妹、母の祖母であるおおばあさん、みんなが迎えに来たんかな?
もうこれ以上頑張らんでいいよ。みんなを煩わせへんようにって、迎えに来たんかな?
真相はわからへんし、実際に母ちゃんが自由にどこへでも行けるかなんてわからへんけど…。
11月に母の百か日で滋賀に帰るから、その時に母の服をもらってこようかな。
ピンクのシマウマのパジャマは現実にはないけど、夢で袋詰めにされた服は今もタンスの中で眠ってるから…。
夢ではゴミ置き場に向かおうと裏起毛のトレーナーを着込んだところで目が覚めた。
夢の私は服を見つけることができたんかな…??
なんで母親は自分の遺品整理をしてたんやろう…??
たまたま夢なんか、実際に母が気にしてるからなのかはわからない。
この先、母のたくさんの服をどうするかもわからない。
主の居なくなったデスクトップパソコンもそのままにしてある。
未来のことは何もわからない。
わかりたくないのかもしれない。
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