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「理……世……?」
ぼんやりとする頭で名前を呼ぶ。
「なぁに、穂乃」
「……どういうこと?」
キス、したかったのは私なのに。
なんで理世からキスされたんだろう。
理世がくすりと綺麗に弧を描いて笑う。
「一緒でしょ?」
同じ色が重なる。
「穂乃が好きなものは、あたしも好き。
あたしが好きなものは穂乃も、好き」
甘い吐息も重なる。
最初に甘い蜜の香りに吸い寄せられた蝶は、どっちだったんだろう。
―――Fin
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