第1章

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「理……世……?」 ぼんやりとする頭で名前を呼ぶ。 「なぁに、穂乃」 「……どういうこと?」 キス、したかったのは私なのに。 なんで理世からキスされたんだろう。 理世がくすりと綺麗に弧を描いて笑う。 「一緒でしょ?」 同じ色が重なる。 「穂乃が好きなものは、あたしも好き。 あたしが好きなものは穂乃も、好き」 甘い吐息も重なる。 最初に甘い蜜の香りに吸い寄せられた蝶は、どっちだったんだろう。 ―――Fin
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